<微笑みの国・タイランド> ナンプラーの匂いと、熱帯特有のけだるい空気、 渋滞が巻き起こす車の騒音、 アジア特有のこの喧騒の向こうの何かを求めて人はまたバンコクに降り立つ。 |
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バンコクの朝は早い。 深夜の工事現場で働いている工夫が遅めの夜食をとる早朝2時か3時頃には、もう朝の屋台のための仕込が始まり、路地のあちこちから大鍋でお湯を沸かす湯気が立ち上がるのが見える。4時を回る頃には托鉢のみかん色の袈裟を着た僧侶が裸電球の街灯の下を行きかい、5時には裏通りの野菜や肉を売る朝市が活気付いている。朝焼けの涼しい風の中でひざまずいて僧侶にお布施をする人々を眺めるのは気持ちのいいものだ。
タイ人はバンコクのことをタイ語で「クルンテープ」と呼ぶ。直訳すると「天使の街」。 人々はこの巨大都市に田舎の飽和した貧富からの脱出の糸口を求める。 そして井戸水とろうそくの明かりのもと育った、貧しい農村の子供たちの期待を裏切らないだけの収入を与え、一方で大きなカルチャーショックによってその強く謙虚な自尊心を失わせる。
映画 「アンナと王様」で描かれたラマ5世の子孫に当たるラマ9世殿下がこの国の元首である。 朝8時と夕方6時にはテレビ全局と公共のマイクより国家が流され、通りを行き交う人々は起立直立静止にて国歌斉唱するのがしきたりである。また、映画館でも映画上映前の起立直立による全員での国歌斉唱が行われる。 この習慣の驚くべきことは法律や国家により強制されたものでなく、人々の国王に対する敬意による自主性に支えられている点だ。 タイで国王を侮辱するのは相手の両親を侮辱するのに等しい。ご注意を・・・。 市場 |
バンコクの下町を歩いていると顔見知りの雑貨屋のおばさんやバイクタクシーのあんちゃんから「キンカオーマイ?」とよく聞かれる。 「キンカオーマイ?」はタイ語で、‘ご飯食べた?‘を意味する。日本人が取りとめもない日常の挨拶に天気や気候の事を話題するように、バンコクの人は道で出会うたびにこう聞いてくる。 「キンカオーマイ?」。 このワンフレーズには控えめな仏教徒の彼らにとっての相手に対する最大の好意が込められている。 蒸し鶏ご飯 タイ風焼きそば もたれた朝はおかゆで タイ風焼肉 中華もグッド |